頂上略七闘(ちょうじょうりゃくしちとう)-孫の二乗の兵法より-

上の25マスに書かれた文字は『孫の二乗の兵法』というのですが皆さんは何の意味だかこれを見て分かりますか?

孫の二乗の兵法とは?

タイトルにあるように現ソフトバンクグループ会長の孫正義さんが日本ソフトバンクグループを立ち上げその3年後の26歳の時に慢性肝炎で病院に入院した際に作られたもので、この入院期間中に孫さんは読書の鬼というぐらい本を読んだそうで(約3000冊)、その時に読んだ本の『ランチェスター戦略』や『孫氏の兵法』といった本に孫さんが好きな坂本龍馬や武田信玄のエッセンすも加えて生み出したのがこの『孫の二乗の兵法』です。


25マスの読み方と意味とは?

まずこの『孫の二乗の兵法』の全25マスには縦マスと横マスに分けて見る必要があります。

まず横マスは上から、

道天地将法(どうてんちしょうほう)
頂情略七闘(ちょうじょうりゃくしちとう)
一流攻守群(いちりゅうこうしゅぐん)
智信仁勇厳(ちしんじんゆうげん)
風林火山海(ふうりんかざんかい)

と読みます。

そして横マスの上から縦に1段ずつ意味があり、

一段目 理念(志こころざし)
二段目 ビジョン
三段目 戦略
四段目 将の心がまえ
五段目 戦術

という意味に分けられています。


起業家は『頂情略七闘』を知るべし

この『孫の二乗の兵法』の中で一番孫正義さんの想いが色濃く出ているのが二段目の『頂上略七闘』でビジョンを表す一行にあると言われています。

この『頂上略七闘』とは右から、

『頂』は目指すべき頂き、場所であり『ビジョン』とも言えます。自分自身が登るべき山を決意した時点で、人生の半分は決まると。これは勝利が半分決まるとも言えます。50%の勝利が確定するためにはビジョンをまず持ち、その山を登るんだとコミット(決意)する事から始まります。

『情』は情報で、情報収集と情報分析する事です。上の『頂』でビジョンを描いて登る山が決まったら、本当に今から登っていく山が正しい道のりなのか、情報の収集と分析を徹底的にかつ繰り返し何度も何度も行う。孫さんは投資だろうが会社の新規事業だろうが何だろうが、行動を起こす前に徹底的に情報収集と分析を行うようです。

しかもその情報を取りに行くのは自分が信頼している優秀な人達やその道のプロフェッショナルな人達に対して、自ら電話をかけて迅速に情報収集するようです。

『略』は戦略です。情報を集め分析して、それを元に自分の会社に照らし合わせ、取捨選択しながら、情報を集めるのと同等に徹底的に考え抜き、絞り込んで出てきたものが戦略だと言っています。

『七』は勝率の事であり、孫さんはこの7という数字が一つのキーナンバーだと言っています。例えば勝率が9割だったらいいかというとそうではなく、9割の勝率までじっくりと準備を進めていたら逆に手遅れになる事が多いし、その間に競合相手も準備が出来てしまう。なので遅すぎにならないように9割でもなく半分の5割でもなく、若干早めの7割で早め早めに動いていく事が大事だと言っています。

勝率が浅い3割~4割は論外で、5割~6割のところも攻めすぎて失敗すると痛手が大きく一か八かになりすぎてしまうので7割という丁度いいあんばいで進むという事みたいですが、この判断が難しいです。

その場合にこの勝率7割の逆の負ける確率3割に目を向けると勝率7割のラインが見えてきます。敗北する3割のリスクを試算出来ているかどうかという事です。負ける、すなわち退却する場合の被害総額のMAXを3割に抑える事で負けてもまた立て直しがきく状態にしておくという事で、

例えば負けた場合の

金銭的な負債、物質的な損害、人材的な被害等々全体の被害総額のMAXを全体の3割を上限として初めから計算しておく事で、その場で負けたとしてもまた立て直せるという意味がこの『七』には込められています。

有名な話で2000年2月に起こったITバブル崩壊時にソフトバンクの株価が100分の1になり、周りの投資家たちやメディアがこぞって「ソフトバンクももう危ないんじゃないか」と騒いでいる時に、孫さんは不動の心で全く意に介していなかったそうです。

それは、

今現在を見ると確かに株価は100分の1になっているかもしれないが、それはこれから向こう10年20年先を見た時に必ずITの未来が来るのは間違いないわけで、そう遠くない間に株価は上がると確信していたからです。

現にITバブル時につけた2000年3月の終わり値ベースまで2019年には回復している事からこれはしっかりと先を見据えていた孫さんだからこそ成せる業ではないでしょうか。

『闘』、そして上記の四つが揃えば、最後はとことん戦い抜く

これが『頂情略七闘』です。

この『孫の二乗の兵法』の一番上の道天地将法(どうてんちしょうほう)はかの有名な『孫氏の兵法』にもある言葉ですが、二段目の頂情略七闘(ちょうじょうりゃくしちとう)は孫さんが自ら考えた言葉です。

この五段のそれぞれの意味を知りたい方は、下の参考URLから見て下さい☆

孫正義 「孫の二乗の兵法」が難しすぎるから一緒に勉強しよう?

きりんの自由研究より

少し長くなりましたがどうでしたか?何が凄いってこれを若干26歳で考え出し、この25マスの『孫の二乗の兵法』は今なおソフトバンクグループの大事な意思決定の場において当時と変わらず用いられているという事が感嘆させられました。

最後に、僕たちから見たら孫正義さんという人は、優しい顔に似合わずイケイケの世界のトップの実業家の見えるんですが、この『孫の二乗の兵法』にもあるように本当は凄く用心深いんです。

孫正義さんの弟で起業家の孫泰蔵さんが言ってた言葉があります。

「兄はとても用心深いんです。石橋を渡る前に、これでもかというぐらいに何度も叩く。しかしそのほとんどは渡らない。でも一旦渡ると決めたらダンプカーでも渡る」

まさに『頂情略七闘』ですね。

では、今日はこの辺で。

4年後の2024年11月11日まで

あと1363日‼

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